トップページ > 買い取り実績 > 【後発組の屑屋が抱える苦悩】企業としての格や伝統

【後発組の屑屋が抱える苦悩】企業としての格や伝統

週末2日間の来客・買取実績は11/25(金)が19組、11/26(土)が27組で買取総額は両日とも約110万円でした。大忙しだった先週とは打って変わって、今週は1週間を通じて荷動きが非常に少なかったです。厳しい市場環境は決して言い訳にせず、これが現時点での自社の実力なんだと冷静に受け止めつつ、決意新たにさらなる飛躍を誓った次第です。

今夏以降、本格的に対法人営業に力を入れ始めたことはこのブログでも既にお伝えした通りなのですが、多くの企業を訪問する中で窓口となる担当者の方とお話を通じて私なりに感じたことが大きく3つございました。

①営業先は未だに「スクラップ(有価物)」≒「産廃(ゴミ)」という意識が根強く残っている。

②買取業者へのヤード持ち込みではなく、基本、業者の出張回収(買取)を想定している。

③取引相手となる業者(屑屋や産廃屋)の「企業としての格や伝統」を重視している。

とくに訪問営業先である企業の経営規模(売上高やスクラップ発生量など)が大きければ大きいほど上記の傾向はより顕著でした。一般的に大会社ほど本業による収益が大きく、スクラップ売却などの雑収入に対しては興味・関心が薄いのです。また、そういった大会社からすれば「金属屑買取業者」も「産廃回収業者」も同じようなものなので、そもそも「ヤードへの持ち込み」という概念すら無く、当該業者が自社まで出張引取・回収に来ることがまず前提なのです。まあ、通常は大会社ほど本業が忙しい為、スクラップ売却に係る関心や時間が無いのはある意味、当然と言えば当然かもしれません。

中でも法人営業の戦略を考える上で個人的に最も大きなポイントだと感じたのは③でした。「格」というのは何となく分かります。新規開拓を希望する相手が大きな会社であれば、その取引相手にも相応の格式(資本金や売上高、事業拠点や従業員の数など)を求めるのは当然です。かかるビジネスシーンにおいてはまずは「信用取引」が第一なのですから。

さらに、「伝統(社歴)」が持つ重要性の意味。先日、年間売上高が約50億円という、とある企業に訪問したところ、「今現在、取引している会社があるので、すぐに御社に変えることは難しいかもしれません。まずは既存取引業者と条件を比較・検討させて下さい。」とのことでした。意外だったのは、既にお取引のある会社(管理人も知っている会社)というのが、明らかに自社よりも格上と思われるような大会社ではなく、弊社とさほど変わらない、比較的小規模な会社であったこと。ただ、その会社は現時点の弊社(2017年ヤード開設)にはない、創業50年以上の歴史があり、やはり長きに渡って経営、取引を続けてきたものの強み、「継続力」を感じさせられました。とは言え、市場のパイが限られている以上、基本的に同業他社の既存取引を断ち切る(奪い取る)以外に取引を拡大する(≒売り上げを伸ばす)手段は無いに等しいと言えます。

成果を得られるまでには多大な時間と労力を要する営業手法ですが、今まで気づかなかった課題をそこで発見することが出来たり、継続していくことで得られる収穫は少なくありません。自社の現状としては、まだまだ「理想」に「現実」が全く追い付いておらず、資金は元より、設備、人員、認可など足りないものばかりです。でも将来への期待に胸を膨らませれば、そんな状況すらワクワク感じることが出来ますし、「俺たちはもっとやれるはずだ!」と俄然、燃えてくる自分がいるのも事実です。

昨今の景気低迷が長引けば、(持ち込み客を待つだけの)従来の「待ち」の営業だけではいずれジリ貧になるのは明らかで、早かれ遅かれ行き詰るであろうという危機感は常にあります。そういった限界を打ち破るべく、今後はさらに「攻め」の営業を強化していきたいですね。

「生き残りに対して執着心を燃やさんと誰も助けてはくれんわ。待っているのは倒産だけや。」

以前、とあるドキュメンタリー番組で某タクシー会社を経営する社長が述べた言葉が胸に響きます。気持ちを奮い立たせてくれる、リアルで重い言葉です。

トップへ戻る